ホワイトカラーエグゼンプションのメリットと問題点

ホワイトカラーエグゼンプション制度は雇用主と特定分野のホワイトカラーが合意に基づき労働時間を自己管理する制度です。欧米にならって国が導入の法制化を行いましたが、問題点が多く深い論議が必要と思われます。

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ホワイトカラーエグゼンプションとは

やたらと横文字が多くなってきていますが、グローバル化(これも横文字ですね)の影響なのでしょうか?

ホワイトカラーエグゼンプションは英語でスペルは white collar exemption です。

ホワイトカラーは皆さん知っていますが、エグゼンプションという言葉はあまり馴染みがないかもしれませんね。

海外旅行をすると tax exemption という言葉を税関などで聞きます。これは非課税品のことですが、exemption には「免除、控除」などの意味があります。

「ホワイトカラーを免除」するとはどういうことか説明を聞かないと分かりませんね。

私たちが会社に就職して働く場合、雇用主の一方的な雇用条件から被雇用者を守るため、労働基準法などの法律が制定されていて、勤務時間や給与・福利厚生などについて細かな基準を設けております。

例えば、残業や休日出勤をすれば割増賃金を払わなければならないなどです。一方、ホワイトカラーと呼ばれる事務労働者の中には、企画・立案・調査・分析・研究職なども入りますので、これらの職種の人たちは法律で定められた基準どおりで仕事を進めると不都合なこともでることがあります。

研究実験などをしていて業務終了時間がきたからやめるとそれまでの実験が無駄になることもあります。

このようなことから、限定した職種に従事する人は本人の自己責任で労働時間を管理させるようにしようという主旨の下に2007年1月に「労働基準法の一部改正案」を国会に提案しましたが成立しておりません。この制度をホワイトカラー・エグゼンプションと呼んでおります。

ホワイトカラーエグゼンプションが提案された背景

ホワイトカラー・エグゼンプションを厚生労働省があまり全体を含めた論議をせずに提案した背景にはいくつの理由があるようです。(1)米国・英国・フランス・ドイツなどの先進諸国で既に実施されていること。

(2)日本国内に外資系の企業が増え、米国からはホワイトカラー・エグゼンプション制度を導入するよう要請されていること。(3)産業構造が変化する中で、ホワイトカラーのなかには事務的労働ではなく、成果のみを求められる新しい労働者が現れはじめていることなどです。

ホワイトカラーエグゼンプションの問題点

この法案を巡ってメディアがアンケート調査をしましたが、どの調査もホワイトカラー エグゼンプション制度の導入に反対する意見の方が多かったようです。

○労働時間自己管理なので残業や休日出勤をしても手当が支払われない。○過労死や病気で倒れても自己責任なので労災の適用が受けられない。

○無報酬の長時間労働を合法化するものである。○長時間労働を促進するため少子化対策に影響がでる。

○変形労働時間制・フレックスタイム・専門業務・企画業務に対する裁量労働制が既に存在するなどがその根拠になっております。

ある学者が行ったビジネスモデルを使った試算でも賃下げになると結論づけています。

労働者派遣法が当初は厳しい規制がありましたが、なし崩し的に規制緩和が行われ現在のような社会問題を惹き起こしたり、外資系企業などで「名ばかり管理職」の実態が明らかになるなどから、ホワイトカラー・エグゼンプション制度も同じ運命をたどるという警戒感もあるようです。

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